小野歯科医院
タバコと歯周病
更新日:2020年5月30日

歯に対するタバコの影響というと、タールによる着色や、口臭などがまず思い浮かびます。
しかし、タバコの害はそれだけにはとどまりません。
タバコの煙が一番最初に触れるのは口の中の粘膜や歯です。
これらが直接タバコの煙から受ける影響に加えて、 血管、血液を通しての
間接的な影響も忘れてはいけません。
タバコに含まれる化学物質は4000種類以上と言われ、そのうちニコチンや発がん性物質など
は300種類以上あると言われています。
また、近年煙の少ないタバコなども普及していますが、基本的にそれらの物質が完全になくなっているわけではありませんので、身体に有害なのは周知の事実です。
そして喫煙によってもたらされる悪影響として、忘れてはならないのは歯周病の悪化です。
一酸化炭素やニコチンにより、血管が貧血状態となり歯肉に栄養がいかなくなります。
またニコチンが免疫系を狂わせることにより、歯周病菌による感染症が悪化します。
さらにタールなどの粘着物質がヤニとして歯にくっつき、それが細菌の温床となり
ニコチンなどの有害物質が常に出る毒の塊となって歯に残り続けるのです。
歯周病にかかる危険は1日10本以上だと5.4倍となり、また重症化すると言われています。
逆に肺癌にかかる危険は喫煙者では非喫煙者の4.5倍ですが、禁煙すると4年で2.0、5年で1.6、10年で1.4倍と着実に落ち着いてきます。
歯周病の悪化により歯を失ってしまう前に、ぜひ禁煙外来を受診してみてください。
また、歯周病の症状がなくても、喫煙者の方は歯周病が重症化していることが多いです。
定期的に歯周病ケアを行うことでこれらのリスクを大幅に下げることができます。
ぜひ歯周病の歯科検診を受診して下さい。